リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 横浜・Hさんの場合

皆さんから寄せられた日本の高校でのヒジャーブについての情報を、日本列島を北から南の順に縦断して掲載します。これらは皆さんから集まった体験談やアイディアであって、こうしなければいけないとか、こうすれば必ず成功するという保証のあるものではないことをご了承ください。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 横浜・Hさんの場合

◆Hさん(高校3年生と高校1年生の娘さんがいます):

うちの娘達の受験の際に東京・神奈川の中学や高校の学校説明会の時にヒジャーブについて尋ねました。

ヒジャーブがOKでも制服の異装はダメとか断食は許可できないなど、それぞれの学校で対応はまちまちです。自分の行きたい学校に直接問い合わせるのが一番だと思います。

 

ちなみに6年前に私立中学受験も考え、色々な私立中学に問い合わせましたが、うちの娘が行こうかなと考えていた私立中学はヒジャーブはダメか条件付でOKというところばかりだったので、中学受験はあきらめました。

最近はグローバルが叫ばれているので、6年前にダメと言われた中学も今は許可しているところもあるかもしれません。ちなみに中学で尋ねたところは慶應湘南藤沢、公文国際、湘南白百合、広尾学園、渋谷教育学園渋谷、横浜英和女学院などの中高一貫校です。

 

高校は県立横浜国際、県立神奈川総合、私立では桐蔭学園、かえつ有明、関東国際、法政女子、横浜隼人、東京高校、多摩大付属目黒はOK。日本女子大付属はダメ。横浜翠陵はヒジャーブはOKだけど制服の異装はダメでした。それぞれの学校でヒジャーブ以外の対応はまちまちです。

上記の学校に関して受験を考えていらっしゃる方や個々に知りたい方はお知らせくだされば私の知っている限りでお応えします。ただ先ほども書きましたが、対応が変わった学校もあるかもしれないので、ご自分の行きたい学校には必ず学校説明会などに参加して対応について確認してください。以前はヒジャーブOKでも方針が変わってダメになったところもあるかもしれません。

 

うちの娘は普段からヒジャーブをつけていたので、受験前に学校説明会でヒジャーブその他の対応について確認してから受験しました。出願の写真にもヒジャーブをつけた写真なので、私立の場合はヒジャーブダメの学校なら成績がクリアしていても合格できないこともあり得ると思います。

 

昨年高校受験した次女のときは、私立高校は桐蔭学園だけ受験しましたが、夏の学校説明会の時に確認してヒジャーブOKだったので出願しました。出願後、受験前に電話があり、ヒジャーブ以外での対応の要望について聞かれました。こちらが出した要望(必要最小限)については学校側も許可できるということで、受験し合格もしました。

 

学校側からの対応要望について聞かれた時にあまり細かいことを言うと、学校側も許可できないこともあるのかなと思います。双方が納得、あるいは妥協できなければ受験をあきらめるか、受験しても合格は難しいのではないかと思われます。

 

公立の場合は成績が基準点をしっかりクリアしていれば不合格になることはまずないと思いますが、私立の場合は筆記試験の他にも面接のある学校もあるし、ボーダーラインはけっこう幅があったりしますので、生徒数が集まらないなど経営に困っている私立は別ですが、人気があって受験数の多い私立の場合は基本的に「学校の方針に従えないご家庭の方はご遠慮ください」という態度のところもあります。合格したら「学校の方針に従います」という同意書を提出しますので、その時点で色々な要望をだしても許可できませんと言われて妥協するしかないこともあるかもしれません。あるいは妥協できなければ合格できても入学辞退になるか。なので、確認してから受験することをお勧めします。受験料もムダにならないように。一応、私も昔カトリック女子高の教員だったので、経験をふまえて。

 

ちなみに、うちの娘が通っている県立横浜国際高校は第二外国語を6言語の中から選択できますが、全国の公立高校で初のアラビア語の授業を導入した学校です。また、今年度からSGH(スーパーグローバルハイスクール)に認定されました。英語のレベルに関しては神奈川県立高校では一番です。アラビア語の他にも異文化理解、地域研究(アラビア語圏)の授業も選択できます。今のところ、修学旅行もマレーシアでイスラームにも理解があります。帰国子女受け入れ校にもなっているので、海外経験豊かな生徒も多く、ヒジャーブしていても奇異な眼で見られることもありません。

ムスリムも何人かいます。英語や語学が好きなお子さんには絶対にお勧めの学校です! アラビア語選択者は春休みに姉妹校交流でモロッコへの語学研修にも参加できます。制服はブレザーだけです。ブレザーを着れば、その下は私服でOKです。夏はブレザーもなし。ナンチャッテ制服を着ている生徒と完全私服の生徒が半々ぐらいです。男子より女子の方が多く、5クラスのうち2クラスは女子クラスです。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 東京・Sさんの場合

皆さんから寄せられた日本の高校でのヒジャーブについての情報を、日本列島を北から南の順に縦断して掲載します。これらは皆さんから集まった体験談やアイディアであって、こうしなければいけないとか、こうすれば必ず成功するという保証のあるものではないことをご了承ください。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 東京・Sさんの場合

◆Sさん:

東京の某私立女子高は、ムスリマ生徒の要望をほぼ全て受け入れてくれます。

知り合いが二人いるのですが…昨春卒業した在日ムスリマさん(ご存知かも。行徳モスク近くに住んでいたムスリマさん)のご両親は、学校に話したそうです。ちなみに、その高校にとってその在日ムスリマさんが初めてのムスリマ、あるいはヒジャーブ着用のムスリマだったそうです。「私達の娘はムスリムで、中学も制服の色に合わせたスカーフとアバーヤで通っていました。どうか高校でも許可して下さい」学校側は、ヒジャーブ(全体的な意味での)の定義を聞き、「こちらでアバーヤ(のデザイン、だったかな?)を準備します。それを着用するようにして下さい」と言われたそうです。ヒジャーブの定義を聞いたのは、学校側が準備するアバーヤが着られないデザインにならないように、という意味だったようです。勿論アバーヤだけでなく、スカーフも許可されました。その上彼女のために礼拝室(礼拝スペース?)も確保してくれたそうです。まーしゃーあっらー。食事の面でも問題ないようです。現在この話を聞いてこの学校を受験・在学しているハーフのムスリマが1人います。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 千葉・Aさんの場合

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リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 千葉・Aさんの場合

◆Aさん(高校生)

私の高校のヒジャーブの着用について話をさせてください。

というのも最近から学校で着用するようになったので、どうしても話したくて連絡をしました。

私が通う高校は千葉市立千葉高等学校。SSH校に指定されて理数科教育に力を入れている高校です。更に最近では国際化も進み、海外の学校が私の高校で交流するという機会も増えました。

 

私の高校の紹介はここまでとし、というよりもそのような機会があったからこそ、私もヒジャーブを着けたいという気持ちが強まったような気がします。というのも最近、マレーシアの高校が私の高校を訪れました。そこでムスリマの女の子と色々な話をして私もヒジャーブを着けなければと思い、その後すぐに校長先生のところにヒジャーブを着けたいと話すと、いいよ!とあっさり許可したことに驚きました。

校長先生も女性でとても優しい方で本当にalhamdullilah.

 

私は後藤さんが殺害されたかもしれないというニュースが報道された日に初めてヒジャーブを着けて登校しました。少し、心配でしたが女子はかわいいねとか言ってくれてとても嬉しかったです。

また、千葉市はムスリムフレンドリーの町をつくっていくということで今後私もinshaallahこれに協力していければと思います。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 栃木・Hさんの場合

皆さんから寄せられた日本の高校でのヒジャーブについての情報を、日本列島を北から南の順に縦断して掲載していきます。これらは皆さんから集まった体験談やアイディアであって、こうしなければいけないとか、こうすれば必ず成功するという保証のあるものではないことをご了承ください。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 栃木・Hさんの場合

◆Hさん:

私の通っていた女子校は、歴史のある学校ですが、制服は開校当初からほとんど変わっておらず、校風や制服にとてもこだわり(スカート丈は膝まで、白ソックス、カーディガン禁止など)のある学校でしたので、少し苦労しました。

 

ヒジャーブの相談をし始めたのは、受験の少し前からです。元々うちは、女子校以外はだめという前提があり、家から通える範囲では二校しか無かったので、何が何でも許可をもらうという勢いでした。

 

母が高校に問い合わせた時は一度断られ、その後教育委員会に働きかけました。何度か話し合った結果、やっとヒジャーブや、黒いタイツを履くこと、夏の半袖の制服は着ずに中間服(長袖ワイシャツにベスト)のままで過ごすこと、夏のベストは暑いので、薄い生地でそっくりに作った物を着ること、夏の体育も長袖を着ることなどを許可してもらえました。

 

やはり、理解してもらえるまで話し合う事が必要だと思います。そして、話し合いなどは少し早めに始めた方が良いと思います。事前にそうしたことが解決されていれば、受験をするお子さんのやる気も違ってくると思います。私は、母のそうした努力を見て、感謝の気持ちと共に、絶対に受かるぞという気持ちで頑張れました。

 

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 福島・Sさんの場合

皆さんから寄せられた日本の高校でのヒジャーブについての情報を、日本列島を北から南の順に縦断して掲載していきます。これらは皆さんから集まった体験談やアイディアであって、こうしなければいけないとか、こうすれば必ず成功するという保証のあるものではないことをご了承ください。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014 福島・Sさんの場合

◆Sさん

我が家の場合。

高校受験時、主人に女子校しかダメだと言われ、唯一の市内女子校(私立)を希望しまして。校長直々に推薦入試を受けるように、と言われ、推薦入試を受けました。その際担任が「念の為に(後でゴタゴタがないように)服装や食べ物のことを申し送りしておこう」と言ってくれました。学校推薦入試(※この高校は自己推薦入試もあります)の前に、「入試当日、理事長と校長がいろいろ保護者から聞きたいので、保護者も来て下さい」と言われ、当日私(母親)は理事長室で理事長と校長に会って、いろんな質問をされました。

 

服装の件は、「できるだけ他の子達と違う格好はさせません。ヒジャーブは黒(髪の毛と同色)、制服はそのまま着ます。夏は半袖シャツの代わりに長袖を着させていただきたいです。足は制服スカートとズボンでおねがいします。ズボンの色は中学では制服のスカートに合わせて黒ですが、目立たなくするために肌色のスラックス(※医療系の職員がよく履いています)を探して履くことも出来ます」と説明しました。他に食事の件は、ほぼクリアでしたが…

前述の服装の件の時、理事長が「我が校は校内行事の際は素足です。ソックスも履きません」と言うのがひっかかっていたのですが、終始なごやかに会話が進み、好印象だったので、あとはドゥアーのみ、と思っていました。

 

正午に合格発表になるという、合格発表日の午前9時頃。中学校から電話がありました。「高校の校長から、『スカーフとズボンはどうしても外せないのか』と質問が来ました。すぐ回答が欲しい、ということなので、これからお宅(我が家)に学年主任と担任が行きます(中学は家から車で3分ほど)。ちょっと考えていて下さい」中学の学年主任と担任が到着。「どうしますか?」と聞かれて、とても悩みましたが、「外せません」と答えました。

 

合格発表は、不合格でした。理由を聞いたら「総合的な判断です」の一言だけでした。

 

不合格の知らせの後、担任は娘に「君が試験の休憩時とかにフラフラしていたんじゃないのか?それで減点されたんじゃないのか?」と言ったそうですが、娘は緊張のあまり、席からは全く動いていない、私はヘンなことはしていない、と言っていました。後で他のクラスの子達から「あの高校は黒ぶちメガネの子を落とす、って有名だから、みんな入試のためにコンタクトを買って受験する」と聞いて、娘はショックを受けていました。「確かにもう1人同じ中学から受験して落ちた子も黒ぶちメガネだった」

 

その後同校の一般入試も受けました。今度はコンタクトをして挑みました。

不合格でした。やはり「総合的な判断です」と言われたそうです。詮索・憶測はいけないと知っていますが。同じ中学の、校長推薦がもらえるほど成績が良くなかった(というか、合格も怪しかったらしい)地元会社の社長の娘さんは一般入試で合格しました。

 

「そういうこと」なんだと思います。

留学生も年に数人いるような女子校で、当時もネパール人女子が留学生として在籍していました。みんなと同じ素足に制服でした。修学旅行が海外旅行で、マレーシアにも行ったこともあるような女子高でしたが、「学校の規則は揺るがさない」のがポリシーだったようです。…だったら学校推薦入試の際に言ってくれればよかったのに、って。二度も落とされた娘の気持ちを察して欲しいです。受験料だって計6万だったかな?無駄に払ったようなものです。

 

高校受験は2009年2月でした。不謹慎ですが、2011年にこの高校の理事長が亡くなったので、もしかしたら今は少し緩くなったかもしれません。「負け犬の遠吠え」みたいですが。福島県では一般的に公立校の偏差値が私立校より上です。勿論公立もピンキリですが。だからSさん₍福岡₎のコメントを拝読して納得していました。

 

唯一の女子高受験に落ちて、中卒には絶対にしないようにおねがいします、と担任の説得で、月1,2回のスクーリングがある県立高校通信課程に入学しました。ここは制服がない、というのも理由だと思いますが、スカーフを付けても何を着てきても構わない高校でした。

リレー寄稿:ヒジャーブ@高校2014

このたび、高校でのヒジャーブ対応について集められた体験談をご寄稿いただきました。日本列島を北から南にリレーして発表していきます。本編は全8回連載、その後とても有意義なおまけの資料を掲載します。インシャーアッラーお楽しみに!

 

 

子どもの教育ワークショップから3−2

今後の可能性

 

では、待ったなしで成長するムスリムの子供たちのために、現在の状況で私たちに何ができるでしょうか?ここ数年間の絵本・教材販売、子供たちのイスラーム教室担当の両方の立場から、今後の教材利用の可能性について考えてみました。

 

➀外国の教材を翻訳して使用

 

第一の教材利用の可能性として挙げたいのは、これは、現在も各地で勉強会を担当されている方々が既にされていると思いますが、英語、その他の言語で出版されている絵本や教材を日本語に翻訳して使用する方法です。この方法のメリットは、既に完成されたものを翻訳するだけで使用できるので、手間があまりかからないことと、日本語をあまり解さない子供がクラスに参加する際、英語と日本語の両方でレッスンを進めることができる、の二点があると思います。また、この方法は、教材が今すぐ必要な場合、一番手っ取り早い方法かと思われます。絵本やテキストの場合は、絵やイラストをみせながら英語の代わりに日本語で読み聞かせることもできますし、塗り絵やワークブックの場合は、日本語訳を印刷したものを切り取って貼り付けてから印刷することで、すぐに利用することができます。

 

②各地の教室で使われている教材の共有

 

第二の可能性として挙げられるのが、各地の勉強会で使われている教材の共有です。現在、日本各地の子供向けイスラーム勉強会において、さまざまな方々が工夫しながら手作りの取り組みをされていると思います。ワードや手作業等で、オリジナルの教材作りをされている方々も多いかと思われます。そのような教材を、インターネット等で共有し、誰でもダウンロードして使用できるようにすれば、他の地域の方もどんどん活用でき、お互いの助けとなると思われます、インシャーアッラー。

 

私自身も、数年前から、自宅やモスクにて、子供たちのイスラーム教育に関わっており、アン・ヌールで扱っている英語の絵本、教材等を翻訳して使用したり、教材を手作りしたり、英語のイスラーム・テキストの日本語訳にイラストなどを加えてアレンジしたプリントを作成したりして使用してきました。それらの内容もインターネット上のブログで閲覧、ダウンロードできるようにしていますが、アルハムドゥリッラー、さまざまなところで活用していただいているようで、うれしく思っています。

 

各地でさまざまな工夫のなされた手作りの教材を作成されている方々はたくさんいらっしゃると思うので、それを眠らせておくのはもったいないと思います。インシャーアッラー、今後、もっと共有できるようになると、これから勉強会を始めようとされている方、現在勉強会をされている方、また家庭でお子様に教えてみたいと思っている方々にとって、大変有益になると思われます。

 

③個人・グループによる教材の作成

 

第三の可能性として、個人やグループによる教材作成が挙げられます。昨年のラマダーンに、私個人が作成した『わたしのラマダーン日記』という冊子をアン・ヌールにて配布したところ、アルハムドゥリッラー、たくさんの方からご好評をいただきました。冊子として製本するとなると印刷・製本の手間と費用がネックとなりますが、今後、個人やグループなどがそれぞれのアイディアを生かし、いろいろな絵本なり、教材なりを作成して共有していけると、日本での教材利用の幅もぐんと広がるのではないかと思います、インシャーアッラー。製本するには費用がかかるので、PDFファイル等で配布して、各自が印刷・製本して使用するというのも手軽でよいかと思われます。

 

④教材のポータルサイト作成

 

以上のことを踏まえた上で、第四の可能性として、教材のポータルサイトの作成を挙げたいと思います。現在、あるシスターが作成してくださったfacebookの「キッズ☆キッズ!」というグループで、日本でイスラームの教育に関わっている方々が様々な手作りの教材や有益な情報のリンクを共有してくださっていますが、これはfacebookに参加していないと見ることができません。せっかくの素晴らしい教材や情報なのに、全員が見られないのはもったいないな、と感じています。また、こういった情報(各地の勉強会の内容、教材ファイルのダウンロード、海外テキストや絵本の日本語訳、有益な情報のリンク等)は、現在点在している状態なので、これらのものをすべて一つにまとめるポータルサイトがあると、日本で子供たちにイスラームを教えたいと願う人々にとって、大変大きな助けとなるし、各地で利用されている教材の有効活用となると思われます、インシャーアッラー。

 

以上、狭い視野からではありますが、現在私の思いつく、これからの教材利用の可能性について紹介しました。インシャーアッラー、今後、各地で勉強会に関わる方々の努力や良いニーヤが結集し、アッラーのお助けにより、より良い教材利用や共有の形が確立していくことを願っています。

 

子どもの教育ワークショップから3−1

慈悲あまねく慈愛深きアッラーの御名において。

日本における教材利用の現状と今後の可能性について

 

アッサラーム アライクム ワラフマトゥッラーヒ ワバラカートゥフ。

 

このたび、教材の現状についてのセッションに文書で参加することとなったアミーナと申します。五年ほど前からインターネットのお店、アン・ヌールにて日本在住ムスリム向けに、イスラーム関連の絵本やおもちゃ、教材等を販売しております。また、四年前より、モスクや自宅にて子供向けプレイグループや、イスラーム教室も担当しております。本日は、絵本・教材販売、イスラーム教室担当、両方の立場から見えてきた現在の問題点と今後の可能性についてお話したいと思っております。よろしくお願いいたします。

 

絵本・教材の販売状況について

 

まず、現在のアン・ヌールでの絵本・教材の販売状況を簡単に説明したいと思います。アン・ヌールで扱っているものの主なカテゴリーと大まかな内容は以下の通りです。

 

絵本: ムスリムが主人公になっている物語、イスラームのことをわかりやすく子供向けに説明したもの、クルアーンに登場するお語や預言者様(彼に平安と祝福がありますように)についてのお話、イスラームのマナーや道徳について学べるお話、等

 

塗り絵学習本: イスラームの基本的な知識や、クルアーンや預言者様(彼に祝福と平安がありますように)について学べるもの

 

アラビア語学習本: アラビア語アルファベットの練習帳、簡単なアラビア語学習のテキスト、フラッシュカード類

 

シール付きチャート: クルアーンのジュズアンマやアッラーの美名を暗記したらシールを貼っていけるチャート、礼拝をするたびにシールを貼っていけるチャート、ラマダーンで断食を頑張ったらシールを貼っていけるチャート等

 

事典類: 写真や図をたくさん交えたイスラームに関する事典類

 

DVD: 預言者様たち(彼らに平安がありますように)についてのお話、日常のドゥアーやアラビア語、クルアーンについて楽しく学習できるお話、等

 

ポスター: アラビア語のアルファベットや数字、ドゥアー等のポスター

 

文房具類: 「マーシャーアッラー」などの言葉の入ったスタンプや、シール、賞状等

 

以上が大まかなものの分類になりますが、現在、お店で扱っている商品のほぼ全てが海外で出版、制作されたものの輸入となり、言語は英語のみとなります。ムスリムの方には、英語ができる方も多いのですが、英語が得意でない方もたくさんいらっしゃるので、少しでもそういった方々の助けとなるようにと、一部の絵本は日本語に翻訳し、お店のサイトとリンクしているブログでダウンロードできるようにしています。ただ、個人でやっている為限界があり、現時点で日本語訳のある絵本、教材は27点のみとなっています。

 

現時点での教材利用における問題点

 

現時点での日本での教材利用についての問題点が、現在手に入るムスリム向けの絵本や教材のほとんどが輸入であり、日本に住むムスリム向けに書かれた、日本語での絵本、教材等が乏しいということです。英語ができる方ばかりならばよいのですが、実際はそうではありません。かといって、日本で一から絵本、教材等を出版するとなるとかなりの手間と時間がかかると思われます。子供たちは待ったなしで成長するので日本語の絵本、教材が出版されるのをいつまでも待っているわけにはいきません。

 

今後の可能性

 

では、待ったなしで成長するムスリムの子供たちのために、現在の状況で私たちに何ができるでしょうか?ここ数年間の絵本・教材販売、子供たちのイスラーム教室担当の両方の立場から、今後の教材利用の可能性について考えてみました。

つづく

子どもの教育ワークショップから2−3

★問題点:

体系的な教育プログラムがないので、一ヶ月でこれだけ終わり、一年間でこれだけのことをやった、という報告や成績表などが出せていない点。ご両親にとっては、そういった目に見える成果があると、モスクに子どもを連れてくる大きな動機になるので、今後は、年間計画や、成績表(とまで行かなくても、それぞれの生徒の報告書)を作ることも検討していければと思いますが、教育プログラムを作るにあたっては、私たちだけでは勉強不足で、まだまだ学ばなければいけないことがたくさんあると感じます。また、その学ぶ手段も、例えば、海外のイスラーム教育機関などを参考にした方がいいのか(そのプログラムをそのまま、限られた時間しかない日本のモスクにあてはめるのは難しいとは思いますが)、もしくは、日本の教育学の勉強が必要なのか、方法がよくわからない状態です。これに関して、アドバイスがあれば、ぜひ拝聴したいと思います。

★その活動をなぜ続けるのか?

東海地方はモスクが多く、ムスリムの子どももたくさんいます。私たちは、イスラームのことは海外で学んだとはいえ、それを伝える手段である子どもの教育についてはまったくの素人なので、これまでも手探りで模索しながら進んできました。お母さんたちや周りのムスリマの方たちにたくさん教えられ、助けられ、そして何よりも、子どもたちにたくさん教えられながら活動を続けています。アルハムドゥリッラー、この場を借りてご尽力くださっている方たちすべてにお礼を申し上げたいと思います。ジャザークムッラーフハイラー。

私たちの活動の目標は、ムスリムの子どもたちが、アッラーとしっかりつながって、この世とあの世で幸せになることです。子どもたちが日本社会で力強く生きていけるように、また、アッラーといつも一緒にいる幸せを手に入れ、預言者さま(サッラッラーフ アライヒ ワサッラマ)のように、どんな環境にあっても、常に周りに善いことだけを願い、日本と世界の未来を切り開いていく人になるように、と願っています。そして、ムスリムの子どもたちにはアッラーから授かったその力と素質が十分にあると思います。イスラームから一番遠い国と言われるこの日本で、ムスリムとして生きることをアッラーに選ばれた、いわば金の卵のような子ども達です、絶対にだいじょうぶです。このウンマを背負って立つ子ども達に、大いに期待して、皆さんには、日本のムスリムの子ども教育のために、どうかたくさんドゥアーをお願いしたいと思います。お母さんが子どものためにするドゥアーはかなうので、どうか毎日、お子さんたちのために善いことを全部アッラーにお願いしていただきたいと思います。

最後になりましたが、改めて、こうした子ども教育のワークショップを企画、実行してくださった皆さんをはじめ、ご尽力くださった方たちすべてに、アッラーからたくさんの報償がありますように。ジャザークムッラーフハイラー。ありがとうございました。

子どもの教育ワークショップから2−2

★レッスンの進め方と雰囲気:

それぞれのモスクによって、時間や参加人数、参加者の年齢などが違い、4パターンあります。

パターン1:

イクラとアッラーの美名の暗記を、パキスタン人シスターのお母さんと一緒にやり、終わった後に、高学年の女の子だけに日本語でイスラーム学習をしています。子どもたちはみんな仲が良く、人数も多いのでワイワイと楽しそうです。モスクに来ると会える友達がいるのがとても楽しいようで、みんなモスクが大好きです。小学生の子どもがその場所を楽しいと思うかどうかは、かなり友達にかかっているようで、同学年や気の合う子たちがいるこのモスクはとても楽しそうです。

パターン2:

クルアーン読誦はスカイプを通して別の日に見ているので、モスクでは日本語でのイスラーム学習のみで、自作のテキストを使用しています。今まで来ていた家族が引っ越してしまって来れなくなったため、子どもが少なくなってしまい、今、モスク周辺の子ども達に勉強会からイベントなどのお知らせをする計画を立てています。

パターン3:

参加している子どものお母さんと一緒にイクラを分担して教え、自分の番を待っている間の活動については、自習でプリントをしています。プリントは、はちみつキッズとママの会の代表の方が作ってくださった文字さがし(資料7)やイスラーム絵本の翻訳をしてくださったテキスト(資料8)などを使っています。文字探しは毎回子供にとても人気で、難しい内容でも、がんばって解こうとするので、良い刺激になっています。ジャザーハッラーフハイラー☆

その後、低学年以下とそれ以上に分けて、低学年はお母さんたちが担当し、クルアーンの暗記と、両親とも外国人で小学生になっても日本語が難しい子には学校の勉強についていけるように、公文のひらがなカードを使ってひらがなを教えたりしています。中・高学年は私がイスラームの話をしています。

ここは比較的年齢が近かったり、お父さんの国が一緒、住んでるところが近い、などの条件がそろっているので、プライベートで遊ぶ子もいたりと、学校のクラスのような雰囲気です。子どもが自主的に動けるように、時間割(資料9)を作って、子ども達はそれを見ながら進め、学校の係りのように、クラス内の役割分担もしています。(資料10)

役割があると、やる気になる子もいて、これを作ってからはりきって毎週早く来れるようになった子もいます。ズフルの礼拝も子どもたちと一緒にするので、終わった後のズィクル(資料11)もリーダーの子どもが声をかけてやってくれます。最初、子どもたちの中には恥ずかしがって声が出ない子もいましたが、だんだん慣れて、今では一人でも上手に先導して言えるようになりました。

パターン4:

イクラをムスリムの留学生の女の子たちと一緒に分担して教えて、その待ち時間に子どもたちはその週の当番のお母さんと一緒にイスラーム的な工作やぬりえなどをして自分の番を待っています。それが終わると、高学年、低学年にわかれて、隔週でイスラームの話をしています。低学年はパターン2と同じ進め方で、自作テキストの授業形式です。高学年は、ここは中学生以上が多いので自作のテキストも大人に近いものです。(資料12)テキストはイスラームの話ですが、勉強と一緒に、思春期の女の子たちが集まっておしゃべりする場にもなっています。ムスリムの子としか共有できない学校や家庭の悩みなどもお互いに話し合って、バランスを取る場になっているようです。

 

つづく

資料7.ことばさがし_預言者たち

資料8.英語のテキストの翻訳

資料9_じかんわり

資料10.モスクのかかり

資料11.れいはいごのズィクル

資料12.ザムザム